女性のためのがん検診

女性のがん

女性特有のがんには子宮がん(子宮頸がん/子宮体がん)と卵巣・卵管がん、乳がんがあります。その特徴は発症年齢にあります。

子宮頸がんは30歳代に発生のピークがあり50歳以降は低下します。乳がんは40歳以降から急速に増加します。この2つのがんは60歳以上に発症ピークがある胃がん、大腸がん、肺がんなどと異なり、妊娠・分娩・育児を含めて家庭内でも職場でも最も忙しく輝かしい時期に発生するがんです。そのため子宮頸がんは欧米では「マザーキラー」と呼ばれています。

また、子宮体がんの多くは閉経後に発症しますが、遺伝性因子や月経不順、不妊症などホルモン異常が要因となる若年性の子宮体がんは40歳代で発症します。
卵巣がんで日本人に多い明細胞癌は卵巣内膜症(チョコレートのう胞)を背景に45歳頃から増加して行きます。
卵巣がんや乳がんの遺伝性のがんについて、家族性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)リンチ症候群などは50歳前の若年世代で発症します。遺伝性のがんについては遺伝カウンセリングを含めた対応が望まれます。

危険因子や発症年齢などそれぞれ特徴をよく理解してがん予防対策をとることが重要です。

子宮頸がん

子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)といわれるウイルス感染によって発生するがんです(胃がん:ピロリ菌、肝炎:B/C型肝炎ウイルスなど)。

HPVは性交渉で感染し80%以上の男女が感染する身近なウイルスです。90%は感染しても免疫で排除されますが、10%程度は無症状のまま感染が持続します。持続感染の1%未満が数年~20年以上を要して子宮頸がんを発症します。感染後5-10年が経過するとがん遺伝子の活性化などが蓄積し発がんするメカニズムが解明されています。

全国的には前がん病変を含めて30歳頃から増加しますが、当協会の統計において、北海道では少し早く25歳頃から増加しています。

20歳前に有効なHPVワクチンを接種し罹患率の上昇する25歳以降は必ず定期的な検診を受けることが大切です。適切な時期に診断/治療を行うことでレーザー蒸散/小さな円錐切除術など妊娠・分娩への影響を最小限にした治療が可能となります。

子宮頸がん検診について

子宮体がん(子宮内膜がん)

乳がんとともに増加しているがんです。

原因として少ない分娩数、女性ホルモン依存、肥満/糖尿病/高血圧などがリスクと考えられています。基本的には進行の遅いがんですが、罹患数/死亡数ともに子宮頸がんを追い越しています。

子宮頸がんは進行するまで無症状なのに対して、子宮体がんは早期より閉経後の出血や褐色のおりものなど症状があることが多く、初期症状を見逃さないことがポイントになります。閉経後の方で、不正出血かどうかの判断が難しい場合や、上記のリスク因子がある場合は、エコー検査を追加して子宮体部を観察することをお勧めします。

卵巣・卵管がん

初期症状に乏しく進行してから発見されることが多く、死亡率の高いがんですが、有効的な検診は示されていません。しかし、一部の良性腫瘍(チョコレート嚢腫、成熟性奇形腫、粘液性腫瘍)から段階的にがん化するタイプでは良性腫瘍の段階で切除することでがん化を予防することも行われています。

乳がん

女性ホルモンと密接に関係する女性ホルモン依存性がんです。子宮体がん同様、罹患数、罹患率が急増しているがんであり、女性のがんの中では最も多いがんになっています。早期であれば乳腺の部分切除(乳房温存手術)などの治療で済みます。

女性ホルモンに関連する要因として、初経年齢が低い、閉経年齢が遅い、出産経験がない、初産年齢が高い、授乳経験がないなど乳がんを発生するリスクを高めると考えられています。また、遺伝的要因もあるため、血縁者に乳がんになった方がいる場合は欠かさず検診を受けましょう。

今後も増加していく可能性の大きながんです。好発年齢の40歳以上では検診を受けていただき、できる限り早期に発見することが望まれます。

乳がん検診について