子宮頸がん

子宮頸がん検診の流れ

問診

看護師が、婦人科の検診を進める上で必要な情報をうかがわせていただきます。

  • 最後の月経はいつか
    この情報によって、検査当日が月経周期のどのあたりに当たるのかが分かります。子宮からとった細胞の見え方は、月経周期の時期によって違ってくるため、この情報が重要となります。また、超音波検査時に月経周期に見合った内膜になっているかを確認します。
  • 月経の周期
    順調か不順か、順調なら何日周期かを確認します。
  • 生理痛の有無、月経血の量
    生理痛が強い、月経血の量が多いなど、月経に関して心配なことがある場合は問診時にお申し出ください。また、その様な場合は超音波検査をお勧めしております。子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症、チョコレートのう腫などがみつかる場合があります。
  • 閉経した年齢
    すでに閉経された方はそのときの年齢を教えてください。閉経が遅い方は子宮体がんになりやすいといわれています。55歳以上まで月経があった方は体がんの検査をお勧めします。
  • 妊娠歴
    これまでの妊娠についてうかがいます。具体的には、妊娠の回数、そのうち流産に終わってしまった回数、帝王切開を受けたことがあるかなどです。
  • ホルモン治療の有無
    経口避妊薬(ピル)や不妊治療、更年期障害の治療などでホルモン治療を受けたことがあるか、あればどのくらいの期間かをうかがいます。
  • 既往歴
    これまでに経験した婦人科の大きな病気についてうかがいます。また、乳房の病気についてもうかがいます。
  • 6ヶ月以内の不正出血の有無
    月経以外に出血があるかどうかを確認します。
    不正出血はホルモンバランスの乱れでも起こりますが、子宮体がんや子宮筋腫等が背景にある場合があります。
    不正出血がある方はもちろん、月経が不順でどれが不正出血かはっきりしない方も、ぜひ超音波検査を受けられることをお勧めします。
  • アレルギーの有無
    検査で使用する可能性のある「ヨード」や「ラテックス(ゴム)」に対するアレルギーがあるかどうかうかがいます。
  • 検診受診歴
    直近の子宮がん受診歴についてうかがいます。

内診

診察台に上がったらまず内診があります。力を抜いて楽になさってください。
性交経験がない方は、検査器具等を調整いたしますので、必ず問診時にお申し出ください。

子宮頸がん検査

クスコ鏡と呼ばれる器具で膣を広げ、プラスチック製のブラシなどで子宮頸部の細胞を軽くこすってとります。個人差がありますが、痛みはほとんどありません。検査自体は数秒で終わります。取った細胞はスクリーナーと呼ばれる専門の検査技師が判定して、医師が指示を出します。

超音波検査

希望者のみの検査です。親指くらいの太さの機械を膣から挿入し、子宮や卵巣を画像に映し出します。子宮はいわば赤ちゃんが育つための袋ですが、この袋の内側は粘膜によって覆われています。子宮体がんはこの粘膜から発生します。超音波検査では粘膜の状態を見ることができます。閉経したあとで粘膜が普通より厚かったり、子宮の内膜に異常な陰影が見えたりすると要注意で、そのような場合は子宮体がんの検査をお勧めします。不正出血がある方、月経が不順な方、月経の量が多い方はぜひ超音波検査を受けられるようお勧めいたします。

子宮体がん検査

希望者あるいは婦人科医が必要と認めた方にのみ行います。子宮頸がんと同様に器具で膣を広げ、プラスチック製の細いブラシを子宮の奥(体部)へ挿入し、細胞をこすってとります。子宮口が閉鎖していたり、頸管が狭かったりすると検査が出来ない事があります。

検診終了後の注意事項

頸がん検診後は、少量のにじむような出血が2~3日程度、体がん検査後は、月経のような出血が4~5日程度続く場合があります。出血が止まるまでは入浴は控えて、シャワーで済ませるようにしてください。出血がひどくなったり、腹痛や発熱が起こった場合は、早めに婦人科を受診するようにしてください。

結果 

結果の見方

子宮頸がんの検診結果はベセスダシステムと呼ばれる世界標準に照らし合わせた基準で報告することになりました。

*ベセスダは米国ワシントンDCの郊外で、世界会議が開かれた都市の名前です

ベセスダシステムのよる分類

ベセスダシステムでは扁平上皮系と腺上皮系に分けられており、次の4段階で分類しています。

  • NILM : 細胞に異常なし
  • LSIL : 軽度扁平上皮内病変
  • HSIL : 高度扁平上皮内病変
  • SCC : 扁平上皮癌

このほかに2つの新しい分類が入っています。

  • ASC-US : LSIL (軽度扁平上皮内病変) が疑われるが決定打に欠ける、異常細胞の出現意義が不明(なぜこんな細胞が出ているか不明であるが腫瘍性は無さそう)などの場合です。
  • ASC-H : HSIL (高度扁平上皮内病変) が疑われるが決定打に欠ける場合です。
    少しでも異常細胞の見逃しを少なくするためにこの様な分類が加わりました。
     

これとは別に腺癌が加わっています。

  • ADC : 腺癌
  • AGC : 腺細胞の異型がある場合

検診を受ける方

早期の検診、早期の発見が大切です。
検診を受ける方はお近くの検診センターにご連絡ください。