会長挨拶

会長 加藤元嗣

 2022年4月1日に長瀬 清先生の後任として、北海道対がん協会会長に就任しました。当協会の創設は昭和4年(1929年)で、90年以上に渡ってがん対策、がん検診、一般健診に携わり、道民の皆様の健康寿命延伸に貢献してきています。わが国は超高齢社会を迎え、がん患者は増え続けており、生涯でがんにかかる割合は男性が60%、女性が40%で2人に1人ががんに罹患する時代です。年間のがんによる死亡者は約38万人で、死因別では2位を大きく引き離しての1位であり、国民の3人に1人ががんで亡くなっている状況です。特に、北海道は全国の中でもがん死亡率が高い都道府県です。当協会では胃・子宮・肺・大腸・乳がんの5大がん検診に加え、がんも生活習慣病の延長にあることから、一般健診、特定健診、職域健診に対応しています。当協会のがん検診で発見されたがんは、8割以上が治すことができるがんですが、検診受診率の低下が大きな課題となっております。

 がん予防は一次予防と二次予防に分けることができます。一次予防はがんの原因をなくすことによって、がんの発生を減らします。肺がんに対する禁煙運動、胃がんに対するピロリ菌対策、大腸がんに対するクリーンコロン(ポリープのない大腸)などが一次予防になります。二次予防はがんの早期発見と早期治療によってがんの死亡率を下げることができますが、がんの発生には無効です。現在行われている五大がん検診は二次予防にあたり、早期発見で治るがんに受診率が高くなるほどより効果が期待できます。一方、胃がん検診では胃がん診断に限らずピロリ菌感染の状態も診断できるので、ピロリ菌感染者に一次予防としての除菌治療を行うことができます。我々は道民の健康を守るために、有効性が高く、効率のよいがん予防を目標に進んでいきたいと思っております。

 2020年度の実績はコロナ禍で例年より20%位落ちていますが、X線と内視鏡を含めた胃がん検診が78,878人でがん発見が71人、大腸がん検診が107,691人でがん発見が188人、肺がん検診が94,332人でがん発見が53人、子宮がん検診が48,839人でがん発見が24人、乳がん検診が55,641人でがん発見が214人、前立腺がんが14,429人でがん発見は76人、健診・人間ドックでは9,6306人の実施、骨検診と腹部超音波検査はそれぞれ6,930人、3,017人に実施しています。公益財団法人である当協会はがん及び生活習慣病等の予防、治療及び研究に関し必要な事業を行い、もって、公衆衛生の向上と、地域社会の健全な発展を実現し、道民の健康保持増進に寄与することを目的としています。このため、当協会では、がんや生活習慣病に関する正しい知識の普及啓発、健(検)診事業、がんに関する調査・研究事業を3本柱にして、これまで以上に、当協会職員一丸となって全力で取り組む覚悟でいます。道民の皆様方の健康寿命の延伸と心身ともに豊かな社会の実現に向けて邁進しますので、皆様方のご支援、ご指導をお願い申し上げます。

令和4年4月
公益財団法人北海道対がん協会
会長 加藤 元嗣