新型コロナウイルス感染症対策指針

令和2年3月31日策定
令和2年7月22日一部改正

第1 基本方針

新型コロナウイルスの感染が広まる中で、検 (健) 診を通じて道民の方々の健康を預かる対がん協会として、受診者の方々が安心して検 (健) 診を受けていただけるよう、新型コロナウイルスの感染及びその拡大の防止に万全を期する。

第2 感染対策の基本的な考え方

受診者・職員等の安全の最優先

新型コロナウイルスの収束が判断されるまでの間、以下の措置を講じるなどして、受診者及び職員の安全を図る。

  • 検 (健) 診が予定されているものの、患者が多く発生している地域での検 (健) 診の実施については、実施時期の変更などの所要の措置を検討するものとする。
  • 受診者が軽い風邪症状 (のどの痛みだけ、咳だけ、発熱だけ) であっても、受診を控えてもらうよう努めるものとする。
  • 市町村及び事業所等から、所要の要請等が出された場合、それに従うものとする。

検 (健) 診の実施における感染の防止

注意すべき主な感染症の感染経路が飛沫感染及び接触感染であること、また、集団感染の共通点が、「換気が悪い」、「人が密に集まって過ごすような空間」、「不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」であることから、飛沫感染及び接触感染や感染拡大につながる集団感染の予防に最大限の対策を講じる。

飛沫感染対策

  • 飛沫が飛び散る範囲は1~2メートルとされているほか、飛沫感染は多くの場合、飛沫を浴びないようにすることで防ぐことができることから、出来るだけ人との間隔を2メートル以上離すとともに、マスク着用などの「咳エチケット」を確実に行う。(咳エチケットとは)
  • また、受診者と受診者、受診者と職員が至近距離で会話する環境を避けるとともに、風通しの悪い空間をなるべく作らないために換気を行う。

咳エチケット
飛沫感染による感染症が流行することを最小限に食い止めるために、日常的に咳エチケットを実施する。素手のほか、ハンカチ、ティッシュ等で咳やくしゃみを受け止めた場合にも、すぐに手を洗う。

  1. マスクを着用する。(口や鼻を覆う)咳やくしゃみを人に向けて発しないようにし、咳が出る時は、できるだけマスクをする。マスクが十分に入手できない場合には、ハンカチやガーゼ等を用いて作成した簡易のマスク類似のものを用いて、飛沫感染のリスクを低減することも対策の一つである。
  2. マスクがないときには、ティッシュやハンカチで口や鼻を覆う。マスクがなくて咳やくしゃみが出そうになった場合は、ハンカチ、ティッシュ、タオル等で口を覆う。
  3. とっさの時は、袖で口や鼻を覆う。マスクやティッシュ、ハンカチが使えない時は、長袖や上着の内側で口や鼻を覆う。

接触感染対策

  • 感染源に直接触れることで伝播がおこる感染 (握手等) 汚染された物を介して伝播がおこる間接接触による感染 (ドアノブ、受付カウンター、記録台、医療用機器、机やイス等) があるため、全ての職員が正しい手洗いの方法を身につけ、常に丁寧に手洗いする。(正しい手洗いの方法について)
  • また、人が触る場所等を消毒用アルコール又は次亜塩素酸ナトリウムで定期的に消毒を行う。

正しい手洗いの方法
以下の手順で、30秒以上、石けんを用いて流水で行う。

  1. 液体石けんを泡立て、手のひらをよくこする。
  2. 手の甲を伸ばすようにこする。
  3. 指先とつめの間を念入りにこする。
  4. 両指を組み、指の間を洗う。
  5. 親指を反対の手でにぎり、ねじり洗いをする。
  6. 手首を洗い、よくすすぎ、その後よく乾燥させる。

集団感染対策 (クラスター対策)

「密閉空間であり、換気が悪い」、「人の密度が濃い」、「近距離での会話」の三つの条件が重なるとクラスター発生のリスクが高くなるとされていることから、このリスクを適切に判断した上で国の専門家会議が示す主な対策例に沿って、次の必要な対策を講じる。

クラスターのイメージ図

  • 受診者及び職員の体温測定と症状の有無の確認をする。
  • 具合の悪い受診者については、受診を控えていただくようお願いする。
  • 検 (健) 診会場及び車輌における人の密度を下げる。
  • 検 (健) 診会場及び車輌を定期的に換気する。
  • 検 (健) 診会場内において近くでの会話を避ける。
  • 検 (健) 診会場の手が触れる場所の消毒を定期的に行う。


注記
  • 新型コロナウイルスにおけるクラスターとは、新型コロナウイルスが集団で感染していることを言う。
  • 厚労省では、同じ場所での接触が明らかな感染者が5人以上いる状況をクラスターと定義している。

第3 具体的な感染症対策

1 各がん検診センターにおける取り組み

情報収集及び周知

道内の感染状況等に関する情報について、日々の把握に努め、得られた情報を基に、検 (健) 診の受託市町村等と打ち合わせを行い、検 (健) 診の計画や対策の見直しに反映する。

職員への感染防止対策

各がん検診センターにおける感染予防のため、職員 (臨時職員も含む。) に対して、次のとおり取り組む。

  • 職員に感染症に関する情報を適宜、正確に伝えるとともに、職員も進んで情報収集を行う。
  • 個人での感染予防や健康状態の自己把握に努めるよう、注意喚起を行う。
  • 出勤前 (出張先でも同様) の検温を徹底し、37.5度以上の発熱、咳、全身倦怠感等の症状があれば勤務させない。(自宅待機を基本とする。)
  • 職員に対して自宅待機を要請する際は、医師 (所長) の意見を聞く。

職員自らの感染防止対策

  • 日常において
    • 自宅から出掛ける際は、出来るだけマスクを着用すること。(マスクの着用)
    • 出来るだけ不要な外出は控えること。特に不特定多数が集まる場所には行かないよう、極力努めること。(外出自粛)
    • 出勤前 (出張先も同様) に体温を確認するなどして自身の体調管理に努めること。加えて、同居家族についても体調の把握に努めること。(出勤時等の体温測定)
  • 職場において
    • 業務上受診者と接触する職員についてはマスクを着用すること。また、それ以外の職員も出来るだけマスクを着用すること。(マスクの着用)
    • 頻回に、手洗いやアルコール消毒等により手指衛生を行うこと。(手指衛生の徹底)
    • 職場においても定期的に消毒を行い、職員間で感染が起こらないように努めること。(職場での消毒)

施設検 (健) 診における感染防止対策

  • 受診者・職員相互の安全確保のため、検 (健) 診の遂行上、特に必要のある場合を除き、検 (健) 診会場ではマスク (サージカルマスク、布マスク等) 着用を原則とすること。職員は必要に応じてはフェイスシールドまたはゴーグル、キャップ等を着用すること。(マスクの着用)
  • 受診者の受付窓口 (出入口) にアルコール消毒薬を設置するとともに、受診者に対しアルコール消毒等により手指衛生を励行させること。(受付窓口におけるアルコール消毒薬の設置と受診者への消毒の励行)
  • 受付窓口において、受診者の体調を確認し、熱があるなどの訴えがあった場合は、受診者の同意を得た上で検温するなどして、必要に応じて医療機関の受診を勧めること。(受診者の体調確認)
  • 各施設においては、エリア、頻度、担当部署を決め、受診者や職員が頻繁に触れる箇所 (ドアノブ、 受付カウンター・記録台、身長・体重計、医療機器等) を、1日1回以上、アルコール消毒液 (濃度70%) 又は次亜塩素酸ナトリウム (濃度0.05%) 等で消毒すること。(施設の消毒)
  • 各施設においては、1時間に2回以上定期的に5分から10分程度、窓を大きく開けるなど、室内の空気を入れ替えること。(施設の換気の実施)
  • 診察室は密室状態となるため、扉を開けておくなど、可能な限り換気する。また、誘導を頻回におこなうことで、受診者が室内で密集しないようにすること。
  • 検診フロアにおいては、適宜受診者に手指消毒をしてもらうこと。
  • 各検査後は手洗いするよう受診者に注意喚起すること。
  • この実施の責任の所在、内容等の明確化、受診者への安心感と理解を得るため、問診にてリーフレットを使用して説明を行うこと。
  • 各施設においては、上記の表示を踏まえ、消毒・換気の実施状況について、毎日、記録し、所属長に報告するとともに、その記録は保管すること。(消毒・換気の実施記録)
  • 受診者の「密集」を避けるため、1日の予約者数、予約時間等を調整すること。(予約者数の調整)

巡回検 (健) 診における感染防止対策

  • 検 (健) 診前日・会場の設営時 (下見を含む。)
    • 会場の事前の下見及び設営時において、次の事項に留意すること。
      • 窓の大きさ等を確認し、換気の可否と頻度、時間を決定すること。
      • 待合室の椅子の配置を1メートル以上の間隔とすること。また、待合室が狭い場合、他の待合室の確保等を検討するなど、代替え策を講じること。
      • 会場内での手洗い場所を確認する。
  • 検 (健) 診当日
    • 受診者の受付窓口 (出入口) にアルコール消毒薬を設置するとともに、受診者に対しアルコール消毒等により手指衛生を励行させること。(受付窓口におけるアルコール消毒薬の設置と受診者への消毒の励行)
    • 受付窓口において、受診者の体調を確認し、熱があるなどとの訴えのあった場合は、可能な限り受診者の同意を得た上で検温するなどして、必要に応じて医療機関の受診を勧めること。(受診者の体調確認)
    • 検 (健) 診を始める前及び始まった後1~2時間間隔で、施設検 (健) 診と同様に、受診者が頻繁に触れる箇所の消毒を行うこと。(施設の消毒)
    • 検 (健) 診を始める前及び始まった後、1時間に2回以上定期的に5分から10分程度、窓を大きく開けるなど、室内の空気を入れ替えること。(施設の換気の実施)
    • 検診車内は密室状態となるため、暖かい気温の時は扉を開けておくなど、可能な限り換気する。また、誘導を頻回におこなうことで、受診者が車内で密集しないようにすること。
    • 検診車誘導の際、受診者に手指消毒をしてもらうこと。
    • 検診後は手洗いするよう受診者に注意喚起すること。
    • 換気の実施に当たっては、掲示文を掲示するほか、実施前に声掛けするなど、受診者の理解を得て実施すること。
    • また、この実施の責任者の所在、内容等の明確化、受診者への安心感と理解を得るため、検診会場にその掲示を行うこと。
    • 検 (健) 診のリーダーは、当日の受診者や消毒、換気の実施状況等を報告書にまとめ市町村検 (健) 診担当者へ提出し、出張後は所属長に報告すること。(消毒・換気の実施記録)

検 (健) 診 診断項目ごとの留意事項

  • 受付、問診等
      • 問診机や椅子など、利用者の手が触れる場所は開始前・終了後にアルコール消毒液又は次亜塩素酸ナトリウム消毒液で消毒を行うこと。
    • 担当者は受診者ごとに、手指擦式アルコールで手指消毒を行うこと。
    • 受診者との受け答えが必要なブースでは、飛沫防止用透明シート等を使用すること。
    • 説明資料等を工夫するなどし、効率化を図ること。
  • 身体計測、生理機能検査
    • 身体計測、生理機能検査に使用する機器で受診者の手や顔等が触れる部分については、使用ごとにアルコール消毒液等で清拭すること。
  • X線撮影
    • 受診者が触れる箇所を検査毎にアルコール消毒液又は次亜塩素酸ナトリウム消毒液で清拭すること。
  • 内視鏡検査
    • 日本消化器内視鏡学会の指針を尊重し、実施する場合には感染予防策を徹底すること。
  • その他の生体検査機器
    • 受診者の体が触れる部分は、受診者毎にアルコール消毒液又は次亜塩素酸ナトリウム消毒液で清拭すること。

受診者にお願いする事項

新型コロナウイルス感染防止拡大防止のため、当分の間、次のかたは、受診をお断りしているので、体調が回復してから受診していただく。

  • いわゆる風邪症状が持続しているかた
  • 発熱 (体温が37.5℃以上を目安とする。)、咳、呼吸困難、全身倦怠感、咽頭痛、その他の風邪症状、下痢、嘔気、嘔吐、味覚障害、臭覚障害などの症状のあるかた
  • 過去2週間以内の発熱 (体温が37.5℃以上を目安とする。) のあったかた
  • 2週間以内に法務省・厚生労働省が定める諸外国への渡航歴があるかた (およびそれらのかたと家族や職場内等で接触歴があるかた)
  • 2週間以内に新型コロナウイルスの患者やその疑いがある患者と接触歴があるかた (同居者・職場内での発熱含む)
  • 新型コロナウイルスの患者に濃厚接触の可能性があり、待機期間内のかた (自主待機も含む)

2 感染が疑われる場合の対応

受診者及び職員 (家族を含む。) の病気の早期発見と迅速な対応は、感染拡大を予防する上で重要であること、また、その対応のためには、その関わり等を通して、その体調やその変化の把握が極めて大切であることから、次のとおり対応する。

受診者の場合

  • 健康状態の聞き取りや体温測定等で感染症の疑いがあると気付いたときは、別室に移動などして他の受診者との接触を避け、受診の中止を勧めるとともに、注意文書を渡して適切な相談先 (帰国者・接触者相談センター) の紹介及び医療機関への受診を誘導すること。
  • 受診者に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合は、保健所等の指示に基づき、直ちに万全の対応を行うこと。

職員の場合

  • 風邪の症状や37.5℃以上の発熱、強いだるさ (倦怠感) や息苦しさ (呼吸困難) がある場合には、休暇を取るものとし、その旨を所属長に届け出ること。
  • また、休暇中は毎日、その状況を所属長に報告するとともに、医療機関の受診に当たっては、先ずは居住地を所管する保健所の帰国者・接触者相談センターに連絡し、指示を受けること。特に、これらの症状が4日以上続く場合 (高齢者や基礎疾患を有する場合は2日以上) には、居住地を管轄する保健所の帰国者・接触者相談センターに相談し、その指示を必ず仰ぐこと。
  • 職員に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合は、保健所等の指示に基づき、直ちに万全の対応を行うこと。

職員の家族等の場合

  • 職員の同居家族の中に感染の疑いのある者や濃厚接触者が発生した場合は、休暇を取るものとし、その旨を所属長に届け出ること。
  • また、休暇中は毎日、その状況を所属長に報告し、出勤の可否の指示あるまでの間、休暇を取得するものとする。
  • 職員の家族等に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合は、保健所等の指示に基づき、直ちに万全の対応を行うこと。

3 感染が判明した場合の対応

受診者の場合

  • 保健所からの連絡により受診者の感染が判明し、受診時に感染していた疑いがある場合は、各 (札幌・旭川・釧路) センターが設置する「新型コロナウイルス感染症対策会議」において必要な協議を行い、濃厚接触者の洗い出し、健康状態の把握、施設の消毒の実施などの必要な対策を実施すること。
  • 受診者に新型コロナウイルス感染者が発生した場合は、保健所等の指示に基づき、直ちに万全の対応を行うこと。

職員の場合

  • 感染の疑いのある職員が検査の結果、陽性が判明した場合には、当該職員は速やかに所属長に報告すること。
  • 報告を受けた所属長は、各センターが設置する「新型コロナウイルス感染症対策会議」において必要な協議を行い、濃厚接触者の洗い出し、健康状態の把握、施設の消毒の実施などの必要な対策を実施するほか、事業の休止の可否、そして、休止の場合は、その範囲及び期間等を決定するものとする。
  • また、職員から感染者が出た場合は、感染の拡大を防止するため、所属する協会名・センター名を公表するものとする。
  • 職員に新型コロナウイルス感染者が発生した場合は、保健所等の指示に基づき、直ちに万全の対応を行うこと。

職員の家族等の場合

  • 感染の疑いのある職員の家族等が検査の結果、陽性が判明した場合には、当該職員は、その旨を所属長に届け出ること。
  • 休暇中の職員については、感染の有無、接触の度合いや感染の潜伏期間等を踏まえ、「新型コロナウイルス感染症対策会議」の意見を伺い、休暇の期間を定めて休ませるものとする。
  • 職員の家族等に新型コロナウイルス感染者が発生した場合は、保健所等の指示に基づき、直ちに万全の対応を行うこと。