膵臓 (すいぞう) がんリスク疾患・早期膵臓がんの新検診法開発目指し新たなバイオマーカーでの試験的検診を実施します
国立研究開発法人国立がん研究センター研究所早期診断バイオマーカー開発部門の本田一文ユニット長らの研究チームが、膵臓がん(以下、膵がん)を引き起こす可能性の高い疾患(慢性膵炎・膵管内乳頭粘液性腫瘍など)および早期の膵がんを効率的に発見する検診法の開発を目指し、新しい血液バイオマーカーを用いた試験的膵がん検診の検証を行う臨床研究を2019 年 4 月10日より、北海道対がん協会札幌がん検診センターで実施します。
試験的膵がん検診の概要はつぎの通りです。
実施時期
2019年4月10日(水曜日)~2019年11月予定(目標参加数に到達次第終了)
目標参加者数
約5,000 人
参加条件
- 札幌市民であること
- 検診当日に満50歳以上であること
- 北海道対がん協会札幌がん検診センターでがん検診やとくとく健診、オプション検査のいずれかを受けること
- 下記の疾患にかかったことがない、または定期的に通院して検査を受けていないこと
- 膵がん
- 慢性膵炎、自己免疫性膵炎(AIP)
- 膵腫瘍(膵上皮内腫瘍性病変・PanIN、膵管内乳頭粘液性腫瘍・IPMN、粘液性のう胞腫瘍・MCN、膵神経内分泌腫瘍・PNET、膵Solid-pseudopapillary neoplasm・SPN)
- 膵のう胞
- 他、下記に当てはまる場合も研究に参加できません。
- 膵切除(部分・全摘)を受けたことがある
- 膵がん以外の悪性新生物の治療中
参加方法
ご予約はお承りしておりませんので、検診当日、総合案内でお申し出ください。
なお、一日の検査上限数に達した場合は、お断りさせていただきます。
午前中の早い時間(概ね8時15分以前)にお越しいただくと、受けられる可能性が高まります。
なお、正面玄関は7時30分よりお入りいただけます。
臨床研究の実施方法
- 検診での採血7mL を用い、1 次ふるいわけ検査(1 次スクリーニング検査)として血液中のアポリポプロテインA2 アイソフォームの濃度バランスを計測します。
- 血液検査の結果、異常値がみられた方には、北海道大学病院で精密検査(2 次検査)として造影CT 検査(原則)を受けていただきます。
- 血液検査陽性者(1 次スクリーニング検査陽性者)の中から、どれくらいの頻度で膵がんのリスク疾患や早期膵がんが見つかるのか、その検出率(陽性反応適中率)を調べます。
注意点
- 血液検査のみの受診はできません。必ず、がん検診等の受診が必要となります。
- 本検査は、試験的に行う検査ですので、「病気がないのに、誤って陽性になること(偽陽性)」や「病気があるのに、誤って陰性になること(偽陰性)」の可能性があります。そのため、陽性と判定されても必ずしもがんがあるわけではありませんし、陰性と判定されても、がんが否定されたわけではありません。